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本人の同意のない自衛官募集名簿提供に反対します
松崎柳沢 小野寺 晶
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気仙沼の小野寺晶さんが宮城県気仙沼市長に対して、本人の同意のない自衛官募集名簿提出に反対すると申し入れた。そして地元紙「三陸新報」に投書し掲載(1月19日)された。その朝、気仙沼9条の会のFacebookにアップされて、21日までに、リーチ数が2761にのぼった。仙台市副市長が18歳と22歳の該当者の名簿を今まで窓口で提示するだけだったのを、市側から情報提供する可能性を口にしたことから、仙台の9条の会や護憲関係団体等からも関心をもたれ、事務局に問い合わせがあった。小野寺さんは「とにかく、私自身驚くほどの『異常』な反応です。ただ、名簿提供問題に個人情報は個人のものだ! 市のものでも、国のものでもない! といいきり、この視点から提供反対を論じたのは今までにない視点だろうと思う」と語っている。(編集部)
「二度と戦争をしてはいけない」と誓いを新たにした昨年12月8日(ハワイ真珠湾攻撃により太平洋戦争に突入した日)、「本人の同意のない自衛官募集名簿提供に反対する市民の会」の一員として会員とともに私達は菅原茂気仙沼市長に対し、表題を趣旨とする申し入れを行いました。
《申し入れの趣旨》
1.本人の同意のない防衛省への自衛官募集名簿の提供は、本人の個人情報が守られていないので、直ちにやめてください。
2.本人の同意がないまま防衛省に自衛官募集名簿が提供されている市政の現状は、個人情報を守る関係法令が市民のためのものになっていないことによるか、運用が間違っていることによるか、どちらか一方又は両方によるものなので、改めてください。
3.気仙沼市が自衛官募集名簿提供について、市民の判断や意志を問うことなく名簿提供の道を選択するのであれば、広く市民にその経緯と内容を周知させ、最低限、情報提供の対象とされる満18歳と22歳の該当者本人一人ひとりに郵便にてその内容を知らせた上で、本人に同意するか否かを問い、同意しない人の名簿は提供すべきではないので、本人に上記趣旨の書類をもって郵便にて問い合わせてください。
《申し入れの理由》
昨年3月5日の気仙沼市議会本会議において、本人の同意のない自衛官募集名簿提供に反対する二千余名の市民の請願署名は不採択となりました。請願署名運動の中で市民の皆さんから多く寄せられた声は「勝手にひとの個人情報を使って!」「まさか市長が断りもなしに!」「知らなかった!」等々という声でした。
そもそも、個人情報は各個人に属するものであって、市に属するものではないはずです。当然その個人情報をどう使うかの決定権は各個人のものであって、市や県や国にあるのではありません。
ましてや軍事衝突の危険のある中東への自衛隊派遣、沖縄周辺の中国包囲網のためのミサイル基地建設、F35ステルス戦闘機104機やオスプレイ、イージス・アショアの爆買い、「いずも」の空母化など、総じて個別的自衛権から集団的自衛権への解釈変更によって戦争できる国に変更すること、それだけで止まらず専守防衛から敵基地先制攻撃能力の保有を自民党によって叫ばれている現在、当事者やその家族だけでなく市民皆さんで考えて見るべき問題だと思います。
ますます危険な任務を負わされ、いつ人を殺し殺される危険にさらされるかわからない自衛官という職業を、どれだけの若者が、どれだけの父母が希望するでしょうか? そして気仙沼市による防衛省への自衛官募集名簿提供に、どれだけの若者が、若者の父母が同意するでしょうか!
災害派遣で津波の時、助けてもらったからと菅原市長は言うけれど、軍事力増強・敵基地先制攻撃能力の保有・憲法9条の無視、改悪へと突き進む自衛隊への名簿提供の問題とは全く別の問題だと思います。
災害派遣は、大規模災害に対処する災害救助隊のような組織を日本が準備していないから、やむを得ず自衛隊で代用しているにすぎません。
さらに現在、菅首相肝いりで、政府が行政機関のデジタル化を急いでいます。その要に位置づけるのがマイナンバーカードの普及です。マイナンバーカードには名前、生年月日、本籍地、現住所、健康保険証、運転免許証、一生使う12桁の番号などが紐付けられるという。そしてカードには顔写真が付き本人確認のパスワードになると言う。小中学校の成績まで紐付けられる案まであると聞く。
これまで地方自治体にあった個人情報はいつの間にか国へと移り変わろうとしている事を見逃してはいけません。
改めて市民の皆さんに訴えます。
「個人情報」は市のものでも、国のものでもありません。個人のものです。市であろうと国であろうと勝手に使うことは許されないのです。自衛官募集名簿提供は市といえども、国と言えども勝手に行う事は許されないのです。
気仙沼市長も市議会議員も市役所職員も自信を持って市民の気持ちに寄り添っていると言えるでしょうか!
どうか、市民の立場、市民の利益を守る側に立ち、市民の個人情報を守り、名簿提供問題に関わる先述3点の申し入れ趣旨をご理解下さいますようお願い申し上げますとともに気仙沼市民に理解していただきたいと存じます。
さらに、「GotoトラベルGotoイート」とともに第三次コロナ感染が拡大し猛威を振るう中、辺野古新基地やミサイル基地建設、武器の爆買いなど5兆3千億円を超える軍事予算などの国民の税金を今すぐ必要なコロナ対策にこそ使うべきことを訴えたいと思います。
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